〜日本企業により劇的に復活した名門シャトー〜メドック格付け3級に格付けされるシャトーです。一時期は評価が低迷していましたが、1983年にサントリーが買収、総支配人にマルセル・デュカス氏が就任します。1840年頃には280haあった地所が157haまで縮小、そのうち56haだった葡萄畑を2倍に拡大、不釣合なほど多かったメルローをカベルネ・ソーヴィニヨン65％まで増やします。植え替えにより若木が多くなったことから1985年にセカンドワイン、レ・フィエフ・ド・ラグランジュを導入、1997年には白ワイン、レ・ザルム・ド・ラグランジュを導入しました。デュカス氏の尽力とサントリーの財政力をもって、荒廃していた畑、醸造設備、貯蔵庫、シャトーを全て一新し、見事復活を果たしました。2000年代に入ってからは、総支配人ブルーノ・エイナード氏が引き継ぎ、2010年には土壌分析を行い、有機農法、ビオディナミにも取り組みます。また800万ユーロという巨額をつぎ込んで、小型のステンレスタンク、光学式ブドウ選別機と新世代除梗機を導入し、更なる品質の向上を遂げました。買収当初は日本企業であることへの反発もありましたが、今では3級を超える実力として尊敬されています。ワインはサンジュリアンらしい、しなやかで優美な味わいです。
